自己資本比率について

最近、ワタミ(居酒屋・介護事業等)が苦戦とのニュースが報道各社で流れました。主力の居酒屋が減収で、2015年-3月期の最終損益が126億円の赤字になり、約25%あった自己資本比率が8%に。続いて2015-4月~6月期でも15億円の最終赤字となり、自己資本比率がついに6.2%と7%を割り込んでしまいました。

自己資本比率とは、総資本(自己資本+他人資本)の中の自己資本の割合です。つまり返済不要の自己資本がどれだけあるかによって、会社の安定性や財務体質などを計る指標になります。

自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となり、自己資本比率が低いほど銀行などの他人資本の影響をうけやすくなり、会社の独立性に問題が生じてきます。

【Q:ではどれくらいの自己資本比率があれば良いのでしょうか?】

A: 一般的には、40%を超えると経営は安定すると言われています。

業種によって違いはありますが、理想企業:70%、優良企業:40%~69%、普通企業:20%~39%、赤字企業:0%未満(マイナス)が目安となります。

TKC経営指標の平均データでは、優良企業(黒字企業の上位15%)で53%、黒字企業で27%、赤字企業で-4%となっています。

【Q:自己資本比率を高めるには?】

A: 分母である【総資産】をスリム化する。例えば不要な資産を売却してその資金で借入金を売却など

A:分子である【純資産】を増加させる。例えば資本金の増加(増資)・※繰越利益剰余金の増加など

繰越利益剰余金とは、税引後利益の蓄積。税金を払わないと繰越利益剰余金が増加しない仕組みとなっています。

企業活動を行う上で、財務体質の強化は企業存続に関わる大きな問題でもあります。また大きな設備投資であったり緊急資金であったりと金融機関からの融資も欠かせないところでもありますので、好条件での融資を引き出せるような、財務の面からも安定した会社作りを目指していければと思います。

参考URL

ライブドアニュース  http://news.livedoor.com/article/detail/10477533/

決算書.com  https://www.kessansho.com/general/study/04_05.html

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